葬儀屋さんでも大事な人が亡くなったら悲しい

こんにちは。かなふく鈴木です
ぼくは、日々お葬式の現場に立ち、たくさんのご家族とご一緒に、最期のお別れをお手伝いしています。
でも、そんな葬儀屋さんのぼくでも、大事な人が亡くなったら、やっぱり悲しいんです。
今日は、ちょっと個人的な想いも交えながら、「葬儀屋さんでも涙が止まらなくなる時があるんだよ」ということを、お話ししてみたいと思います。
葬儀屋さんでも、大事な人が亡くなったら悲しい
お葬式の現場を何百、何千と経験してきたぼくですが、自分の身内や、親しい方のご逝去となると、話はまったく別です。
もちろん、一般の方に比べたら、死に対する“耐性”みたいなものはあると思います。
参列や喪服のマナー、式場でのふるまいなど、そういった面では冷静に動ける自信はありました。
でも、いざその場に立つと、思うように体が動かなかったりするものです。
なぜなら、「その人の命」はただ一度きりだからです。
その人の人生も、その人の死も、その人のお葬式も、世界にひとつだけ、ただ1回しかありません。
どれだけ経験を積んでいようが、「あの時の葬儀と同じ感じで向き合えばいい」なんてことは、絶対にないんですよね。
むしろ、プロであることが足かせになる瞬間もあります。
「自分は感情的になっちゃダメだ」「しっかりしなきゃ」「落ち着いていなきゃ」――
そんなふうに自分を縛りつけて、余計に苦しくなってしまうこともあります。

かけることばが、見つからない
つい先日も、ぼくにとって大切な方が亡くなりました。
生前、本当にお世話になった方で、その奥さまが喪主を務められたのですが、ぼくは、何も言えなかった。
いや、何かは言ったんですよ。「生前とてもお世話になったんです」とか、「すごく残念です」とか、「何かできることがあったら言ってくださいね」とか。
でも、そのどれもが、自分でも空々しく聞こえてしまって。これらのことばはすべて本心だけど、本当の意味で奥さまの支えになるのだろうかと思うと、情けないやら、悔しいやら…。
お葬式の後に奥さまからLINEでお礼の言葉を頂いたときも、正直、なんと返したらいいのか分かりませんでした。
思わず、ネットで「訃報 LINE お礼 返信 文例」なんて検索してしまったくらいです。
プロのぼくでも、そうなるんです。
それだけ、葬儀というのは、心の向け方が、むずかしい。
故人さまのご逝去は、すごく辛い。でも、故人さまや喪主さまは、もっと辛いはず。
そう思うと、どこまでを言葉にして、どこまでをグッと押しとどめるべきかが、分からなくなるんです。
ひとつとして同じ人、同じ命がないからこそ、「万人に共通する正解のことば」なんて存在しない。
だから、ことばを選ぶのが、こんなにも難しいんだと思います。
「ことば」にならなくても、想いは届く
こうして、いろんなお葬式に立ち会ってきた中で、ぼくがひとつだけ学んだことがあります。
それは、「ことばが見つからないときは、無理に言わなくていい」ということです。
だって、どんな立派な弔辞よりも、ただ隣に立っているだけで、心が救われることってあるじゃないですか。
泣いている喪主さんの背中を、そっとさすってあげる。目が合ったときに、ただうなずく。
ことばにならなくても、想いは届くんだと思うんです。
無理に気の利いたことばを掛けなくても大丈夫。そばにいるだけ。「辛いね」「寂しいね」「味方だよ」ということが伝われば、それで充分なんです。
と、頭では分かっていても、なかなか心で納得するには、むずかしいですよね。

葬儀屋さんも「一人の人間」です
葬儀屋というと、どうしても「冷静沈着で、淡々としていて、感情に流されない」みたいなイメージがあるかもしれません。
でも、ぼくらだって、人間なんです。
好きな人が亡くなったら悲しいし、かける言葉が見つからないこともある。葬儀の最中に、ふと涙ぐんでしまうことだってあります。
でも、だからこそ
「お葬式って、人の心に寄り添う場所なんだな」
「“儀式”であると同時に、“癒し”でもあるんだな」
そうあらためて実感するのです。
おわりに
この記事をここまで読んでくださった方の中には、もしかしたら今、大切な方の死と向き合っている方もいらっしゃるかもしれません。
ぼくが伝えたいのは、「プロでも言葉に詰まるくらい、大切な人を送るというのは、かけがえのない経験なんですよ」ということです。
どんな言葉をかけたら正解か。何が正しいか。
正解なんてなくていい。ことばがなくても、ただ、心からの想いがあれば、それだけで十分なんです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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葬儀のかなふく (株式会社神奈川福祉葬祭)
代表取締役 鈴木 隆