猛暑のお葬式の服装マナーと、いますぐできる対策法

こんにちは。神奈川県相模原市の葬儀社・神奈川福祉葬祭(葬儀のかなふく)の鈴木隆です。
今年は本当に異常な暑さですね。西日本では6月に梅雨明けしてしまうという、まるで熱帯のような夏の始まり。そんな猛暑のなかで行われるお葬式、あなたはどんな服装で行きますか?
「やっぱりジャケットは着ていないとダメ?」
「ネクタイはずっと締めておくべき?」
「女性の半袖ワンピースはOK?」
今日は、そんな猛暑の葬儀服装マナーについて、現場の葬儀屋さん目線でお話しします。
■猛暑でも、基本はブラックフォーマル
夏でも冬でも、どんな季節でも、お葬式の服装マナーは基本的に同じです。
男性は黒いスーツに黒ネクタイ、女性は黒いワンピースやアンサンブル(ワンピース+ジャケット)スタイル。靴やバッグ、靴下・ストッキングも黒で統一します。
…と言っても、この猛暑。外を歩いているだけで汗が噴き出しそうな気温です。ジャケットを着たまま長時間過ごすのは体にこたえますよね。
なので、実際には男性は半袖シャツ、女性は半袖ワンピースで参列される方も少なくありません。
でも、ジャケットを脱いでこそいいものの、持参しないというのはおススメしません。理由は2つ。
ひとつはマナーの問題。もうひとつは夏場の「冷房問題」です。
■夏の葬儀の意外な落とし穴「冷房問題」
猛暑対策というと「涼しく着る」ばかり考えがちですが、実は夏のお葬式での落とし穴は“冷え”です。
式場内や火葬場は、ほとんどの場合しっかり冷房が効いています。そんなところでジャケットがなかったり、さらには半袖で長時間過ごしてしまうと、思った以上に体が冷えてしまいます。特に通夜式や告別式は着席時間が長く、動かないぶん冷えやすいのです。
だからこそ、男性も女性も、ジャケット付の一般的な喪服が基本です。マナーにも沿っていますし、何よりも「暑ければ脱ぐ、寒ければ着る」ができますからね!
■現場は臨機応変が当たり前
ここまで読むと「やっぱり猛暑でもジャケット必須か…」と少し気が重くなるかもしれません。
でも、実際の葬儀現場ではもっと柔軟です。たくさんのお葬式を担当しているわたしが言うのだから、間違いありません。
式典(通夜式や告別式)の時はジャケットを羽織っておくべきですが、式の前後はジャケットを脱いでいる方、ネクタイを少し緩めている方、少なくありません。特に最近は家族葬が増え、まわりは気心の知れた人たちばかりです。昔のような「暑くても我慢してきっちり着る」が絶対ではなくなっています。
たとえば──
- 僧侶が入場して読経が始まるタイミングでジャケットを着る
- 式典の前や火葬待ちの間はネクタイを外したり緩めたりする
- 外の移動中は上着を脱ぐ
こうした光景は葬儀の現場では日常茶飯事です。場面ごとに着脱する方が多く、ジャケットを脱いだとて、ネクタイを緩めたとて、猛暑で辛いのはみんな一緒、だれもあなたを咎めません。
大切なのは「通夜式・告別式・火葬場などの儀式の場ではきちんとする」という、ポイントを押さえておくことです。

■すぐにできる猛暑対策
ここからは、今日からすぐに取り入れられる「猛暑のお葬式・服装対策」をご紹介します。
会場に着いてから着替える
夏場で一番きついのは、炎天下の屋外移動です。だったら、現地に着いてから喪服に着替えるのもひとつの手。
家族葬であれば、控室が使えることが多いですし、一般参列でも更衣室があれば安心です。
たとえば、ぼくのいる相模原市営斎場なら、火葬場に更衣室がありますし、式場棟では僧侶控室を一時的にお借りできることもあります。
遠方からお越しの方は、移動は涼しい服で、会場でさっと着替えるという方法もおすすめです。
夏素材の喪服を用意する
最近は、男女ともに夏用素材の喪服が販売されています。通気性や軽さが段違いなので、1着あるととても便利です。
夏の葬儀はもちろん、一周忌や三回忌といった法要でも活躍します。
さらに、冷房による冷えを防ぐために薄手のインナーを仕込んだり、速乾性のあるシャツやワンピースを選べば、汗冷えも防げます。
冷却アイテムを持ち歩く
即効性のある暑さ対策としては、冷却スプレーや汗拭きシートがおすすめ。首や脇にひと吹きするだけで、体感温度がぐっと下がります。
水分補給と塩分チャージはこまめに
水分は「のどが渇いた」と感じる前に、こまめにとるのがポイント。
さらに汗といっしょに塩分も出ていくので、スポーツドリンクや塩飴を上手に取り入れてください。
「喪服姿で水分を持ち歩くのはちょっと…」という方は、バッグに小さめのペットボトルを忍ばせておけばOKです。
■優先すべきはマナーより体調
お葬式は大切な儀式。でも、体調を崩してしまっては元も子もありません。あなたが途中で倒れてしまったら、故人さまはきっと心を痛めるでしょう。
式場内で気分が悪くなったら、遠慮なく葬儀屋や式場スタッフに声をかけてください。すぐに椅子や別室へ案内します。水分補給も忘れずに。マナーより命と健康が優先です。

おわりに
猛暑のお葬式は、心も体も疲れやすいものです。だからこそ「完璧なマナー」より「無理のない礼節」を心がけてください。
お別れの場は、あなたが元気でいることが何よりの供養です。どうか涼しさと礼節を両立させて、心からのお見送りをしてくださいね。
神奈川福祉葬祭(葬儀のかなふく)
代表取締役 鈴木 隆
フリーダイヤル:0120-82-0333