衣替えから考える「行動と心」「儀式と心」

こんにちは。神奈川県相模原市の葬儀社、神奈川福祉葬祭(葬儀のかなふく)の鈴木隆です。
朝晩がすっかり冷えるようになってきましたね。
日中の陽ざしはまだやわらかくても、風の中に冬の気配を感じるようになりました。
「そろそろ衣替えをしなくちゃ」と思う人も、中にはもう衣替えを済ましたという人も、多いのではないでしょうか。
季節の変わり目に服を入れ替える、たったそれだけのことですが、これが意外と、心の整理にもなるんです。
今日は、心理カウンセラーの資格も持つかなふく鈴木が、衣替えの効能についてお話しします。
■衣替えの心理学的な効能とは?
タンスを開けて、夏服をたたみ、冬服を取り出す。
「もうこのシャツも今年は着ないな」
「このコート、久しぶりに出してみようか」
そんなふうに季節ごとの服を入れ替えることで、自然と心も切り替わっていきますよね。
実はこれ、心理学で言う「認知行動療法」の一種でもあります。つまり、
「行動を変えることで、心の状態も変わる」
…ということです。人間の心と身体はつながっているので、手を動かすだけで思考や感情も整理されていくんですね。
部屋の模様替えも同じです。
家具の位置を変えたり、カーテンを新調したりするだけで、なんとなく気分が新しくなりませんか?
「行動が心を作る」――これって、本当に不思議で、そしてだれにでも心当たりのある素敵なメカニズムです。
人間には、気持ちを切り替えるスイッチがそれぞれあります。
朝起きて鏡の前で歯を磨くと、「よし、今日も一日がんばるか」と思える。
通勤電車の中でスマホを見てニュースを読むと、自然と頭が仕事モードになる。
何気ない日常の動作が、心のギアチェンジをしてくれているんです。
■行動が、心を変える
少し前に「すべては逆」という動画が流行りました。
「悲しいから泣くんじゃない。泣くから悲しいんだ。」
「楽しいから笑うんじゃない。笑うから楽しいんだ。」
まさに、行動が心を作っているんです。この仕組みを知っておくだけでも、心が沈んだ時の対処法が少し変わってきます。
「心が落ち着かない」
「なんとなく、やる気が出ない」
こんな時ほど、まずは身体を動かしてみることを意識してみましょう。
掃除でも、散歩でも、服をたたむでもいい。
ざわついた心も、行動を追いかけることで、いつの間にか整っていくかもしれません。

■セットでしておきたい「掃除」
余談ですが…衣替えで、ぜひともセットでしておきたいのが掃除です。
衣替えは、ただ服の置き場所を変えるだけ…と思われがちですが、実はここに大きなチャンスが隠れているんです。
なぜなら、服を動かしたその瞬間、そこには「空っぽの空間」が生まれるから。
この空っぽの時間と空間こそが、掃除のゴールデンタイムなんです。
たとえば、クローゼットの衣替え。
クローゼットの中の夏服をいったん全部取り出し、冬服を移し替えて、空いた収納にまた夏服をしまう…。
そんな工程になりますよね。
その途中で、必ず訪れるのが、何も置かれていない、まっさらなクローゼットです。
そこに掃除機をサッとかけて、モップで埃を払って、最後にサッと雑巾がけ。ほんの数分でも、自分の手でその場をきれいにしてあげると、心までスッと晴れていきます。
模様替えでも同じです。家具を動かしたときに普段できない箇所を掃除することで、心が晴れやかになるものですよね。
■儀式もまた、心を変える
さて、このように、衣替え、模様替え、掃除など、「行動を起こすことで心が変わる」というメカニズムは、「儀式」にもあてはめることができます。
お葬式という宗教的な儀礼に対して、懐疑的な声というのはチラホラ耳にします。
「葬儀なんて形式的なものにすぎない」
「大切なのは故人を想う心。儀式にこだわらなくてもいい」
…このように考える人もいるでしょう。
でも、ぼくはこう思うんです。
「心は、行動のあとからついてくる」
「故人を想う心は、目に見える儀式を通じて生じてくる」
手を合わせる。花を手向ける。焼香をする。遺影に頭を下げる。それらの行動のひとつひとつが、故人に心を差し向ける「スイッチ」となってくれます。
最初は悲しみでいっぱいだった心が、お葬式を通して少しずつ鎮まり、「ちゃんと見送れた」という安堵や、「ありがとう」という感謝に変わっていく。
このような声は、お客様からたくさんいただいています。
理屈ではなく、手を合わせるという行動が、心を整えてくれるんですね。
ぼくたちは、感情のコントロールが苦手です。悲しみを我慢したり、怒りを抑えたり、無理に笑顔を作ったりしても、なかなか心は思うように動いてくれません。
けれど、「心が動かないなら、先に身体を動かしてみよう」と思えるだけで、ずいぶん楽になる気がします。
衣替えをして新しい季節に気づくように、掃除をして部屋が明るくなるように、葬儀もまた、心を整えるためのひとつの行動なのだと思います。
お葬式は、亡き人を弔うためであると同時に、遺された人が「生きていくため」に必要な儀式でもあります。
人前で涙を流すこと、手を合わせることを許されるのが、お葬式です。こうした行動が、私たちの心を癒し、慰め、整えてくれるのだと、かなふく鈴木は思います。

今日もここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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