葬儀社の道徳と、ぼったくり葬儀社からの身の守り方

こんにちは。神奈川県相模原市の葬儀社・神奈川福祉葬祭(葬儀のかなふく)の鈴木隆です。
今回はちょっと真面目なお話をさせてください。
最近、「これはちょっとひどいな」と思うような葬儀社の話をよく耳にします。
たとえば…
「ホームページでは格安と書いてあるのに、結局オプションで釣り上げられた」
「断ろうと思っても“お父さんがかわいそう”なんて言われて断れなかった」
「安置料が1日5万円?そんな話聞いたことがない」
大切な人を亡くして、ただでさえ心が不安定なときに、こんな思いをしてしまったら、それこそ、故人さまも浮かばれません。
今回は、そんな葬儀業界の裏側をちょっとだけお話ししながら、ぼくたち葬儀社がどうあるべきかを、あらためて考えてみたいと思います。
また、悪い葬儀社にひっかからない三箇条もお伝えするので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
金儲けに走る葬儀社の手法
葬儀は、ある程度高額になっちゃうものです。しかし、明らかに金儲け主義に走っている葬儀社があるのも、また事実。
金儲け主義に走る葬儀社の手法として、次のようなものがあります。
<1:オプションによる釣り上げ誘導>
最近よく見かけるのが、「基本料金●●円〜」と大きく格安を掲げておきながら、実際にはオプションを追加しないとまともなお葬式ができないパターン。
最安プランの花祭壇を注文しようとすると「え、こんなに小さいの?」と目を疑うこともしばしば。写真と実物では印象がだいぶ異なることを利用してるんですね。
その他にも・・・
「えっ、お棺がこれじゃ可哀想ですよ」
「骨壷もこのままだとちょっと……」
とか言われて、どんどんオプションを進められ、気づけば最初の2倍、3倍の金額に…。
しかも、お客様は大切な人を亡くした直後で、冷静な判断ができないタイミング。そんなときに「断る」という選択肢を持つのは、とてもむずかしいですよね。
<2:相場からかけ離れた費用設定>
「安置料1日5万円」
こんな金額を提示している葬儀社もあります。これが高いか安いか。パッと聞かれて、分かりますか? 分からないですよね。
結論は「高い!」です。なぜなら、安置料の相場は1日あたり1万円前後だからです。
よく考えたら分かること。1日5万円という単価だと、仮に火葬場の混雑を待つために1週間安置したとして35万円です。こう聞くと「ああ、高いな」と思いますよね。
そう! それくらいお客様は葬儀の費用についてよく分かってなくて、そこを突くのが悪い葬儀社なんです。
ちなみに小耳にはさんだところによると、この法外な安置料は、エンバーミング(遺体の防腐処理。費用相場約20万円)を売りたいがための手法だと聞いています。
<3:不安をあおる営業トーク>
「このままだとお父さんがかわいそうですよ」
「社会的地位のあった方なんだから、もっとちゃんとしてあげないと……」
こんな煽りのトークも、悲しいかな、まだ現場ではよく耳にします。
不安を示されると、それを消し去ろうとしたくなるのは人間の本心です。「かわいそう」とか「もっとちゃんとしてあげた方が」と言われると…
「そういうものなのかな」と、違和感がありつつ同調してみたり、
「故人さまの最期だものね」と、煽りトークが全うであるように聞こえたりするものです。
でも、こういう買い物って、心の奥底では、
「本当に良かったのかな?」
「騙されていないかな?」
…と、やっぱり不安が払しょくできませんよね。
お葬式で最も求められるべきは、不安の真っ反対、「安心」です!

遺族は「安心」を求めている
ただでさえ大切な家族が亡くなった直後。遺族はたくさんの不安にさいなまれている。
・故人がきちんと成仏できているかという不安
・参列者にきちんとおもてなしできているかという不安
・はじめての葬儀。何をすればいいか分からないという不安
・高額な葬儀費用に対する不安
これらを安心に変えるのが、ぼくたち葬儀社の仕事じゃないですか。それなのに、自分たちの利益のことだけ考えて不安を増長させるばかりの姿勢は、ありえない。
近江商人の言葉に「三方よし」があります。
「売り手よし・買い手よし・世間よし」
葬儀社もまさに、これを目指すべきです。
売り手(葬儀社)もしっかり利益をいただき、
買い手(ご遺族)も「お願いしてよかった」と思える安心を得て、
世間(地域社会)にも「よいお葬式だったね」と波及していく。
そんな「よし」「よし」「よし」の循環こそが、理想の葬儀です。
葬儀社も、ボランティアではありません。利益をいただいています。生活だってあるし、葬儀社を維持するためには、利益はとっても大事です。
でもそれは、過剰な利益である必要はありません。必要な分だけ、きちんといただき、あとはしっかりとサービスとしてお返ししていく。
心や魂という、目に見えないものを扱う仕事だからこそ、葬儀社は「信頼」と「まごころ」を第一に考えるべきなのです。
悪い葬儀社にひっかからない三原則
では、どうすれば「信頼できる葬儀社」と出会えるのでしょうか。
ぼくが考える三原則をお伝えします。
<1. 情報収集>
まずは情報収集。お住まいの地域にある葬儀社を、最低でも3社はチェックしてみてください。
ネット検索でも、チラシでも、口コミでもかまいません。「ここ、よさそうだな」という直感でピックアップを。
その上で、気になる3社に資料請求をしたり、電話で問い合わせたりして、情報を深掘りしましょう。
<2. 直接会う>
これが何よりも大事。
ネット上ではよく見えても、会ってみたら印象がまったく違う、なんてことはよくあります。
人柄、話し方、受け答えの丁寧さなどを通じて、「この人に任せたいな」と思えるかどうかは、やっぱり会ってみないとわかりません。
また、実際に話を聞けば、費用の詳細も分かってきますし、それを複数の葬儀社と比較することも可能です>
<3.「なんとなく」の直感を信じる>
かなふく鈴木は、「直感」の大切を声に大にして叫びたい。
「なんとなく、この人いいな」
「なんとなく、この葬儀社イヤだな」
…という、この「なんとなく」という直感を、どうぞ信じてみてほしいのです。大事です。
なぜなら、葬儀は究極の対人サービスだからです。
形式や価格だけで判断するのではなく、「この人となら一緒に送れる気がする」という感覚が、意外とお葬式の満足度に直結します。
実際に葬儀の世界は…
「他より少し高かったけど、この人で満足した」
「なんとなく頼りないけど、愛嬌があって、一生懸命だから、この人でよかった」
…というような、非合理的な評価が充分まかり通ったりします。
「安い」「近い」などの分かりやすい評価軸に加えて「なんとなくいいな」「なんとなくイヤだな」という直感を結構大事にした方がいいと、くり返しお伝えしておきます。
そして、この直感の解像度を上げるためには、やはり一度葬儀社の方と直にお話しすることを、おすすめします。

おわりに
今日は、少し真面目に「横行する葬儀社の傲慢」と「葬儀社が持つべき道徳性」について語ってみました。
ぼくたち神奈川福祉葬祭は、これからも「三方よし」のお葬式を目指して、まごころを込めてご遺族と向き合っていきます。
相模原市で安心できるお葬式をお考えの方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
葬儀のかなふく 株式会社神奈川福祉葬祭
代表取締役 鈴木 隆