区民葬・市民葬って、なに?

こんにちは。相模原市の葬儀社・神奈川福祉葬祭(葬儀のかなふく)の鈴木隆です。
葬儀のご相談を受けていると、ときどきこんな質問をいただきます。
「区民葬って聞いたことあるんですけど、どういう仕組みなんですか?」
「市民葬って、普通の葬儀と何が違うんですか?」
「相模原や神奈川県でも市民葬ってあるのですか?」
名前は聞いたことがあっても、実際の仕組みや利用条件はよくわからないという方が多いんです。
今日は、東京都内で行われている「区民葬」「市民葬」について、その内容や費用、利用方法まで、わかりやすくご紹介します。
区民葬・市民葬は東京都内の取り組み
まずお伝えしておきたいのは、区民葬・市民葬は基本的に東京都内の自治体で行われている取り組みだということです。
神奈川県内──たとえば、ぼくたちのある相模原市には、市民葬と呼ばれる制度はありません。
東京都葬祭業協同組合の公式WEBサイトには、区民葬についてこう書かれています。
「戦後間もなく一般消費者の生活がまだ豊かでなかった時代に葬祭業協同組合が東京都に働きかけ、当時は都民葬として通常よりも安価な葬儀制度を創り発足したものです。
後に23区に移管され現在の区民葬儀になったもので、これは区から補助金等が支給されているのではなく、あくまで葬祭業者の奉仕の精神に基づいて行われているものです。」
つまり、ポイントはこの2つです。
- 東京都23区や市部で行われている取り組み
- 補助金ではなく、自治体に登録された葬儀社が「奉仕価格」で提供
市民葬の場合は、自治体が主体となって行う「市営葬儀」という形を取るところもあり、その場合は葬儀社ではなく市の関連団体が中心になって運営します。
※かなふくも、日本全国の自治体を調べたわけではありません。もしも、「うちの自治体には区民葬、市民葬があるぞ」ということはぜひともお教えいただけますと嬉しいです!

〇区民葬の例
東京都23区内で統一料金が設定されているのが「区民葬」です。
火葬・霊柩車・祭壇(柩を含む)の3項目について、「区民券」と呼ばれるチケットが発行され、それを使うことで安価に利用できます。
■区民葬の費用
区民葬の費用は次のような感じです。
<火葬>
大人59,600円/小人34,500円
東京博善など、一般的な火葬料金と比べると、かなりお得です。
<霊柩車>
19,920円〜(普通車・10kmまで)
車種や距離によって変動します。
<祭壇・棺>
100,100円(白布2段祭壇+プリント棺)
正直、簡素な祭壇です。グレードを上げることも可能で、4パターンから選べます。
■区民葬の利用方法
区民葬の流れはとてもシンプルです。
葬儀社に「区民葬でお願いしたい」と伝えるだけ。あとは葬儀社が必要な手続きをしてくれます。
注意点としては、区民葬の指定取扱店でなければ利用できないということ。各区のホームページに取扱店一覧があるので、事前に確認しましょう。
〇市民葬の例
市民葬も基本的には「安価に葬儀ができる」行政サービスですが、自治体ごとに少しずつ形が違います。
ここでは東京都内の例を3つご紹介します。
■武蔵野市の場合
内容は区民葬によく似ています。
火葬・霊柩車・祭壇(棺を含む)の料金が安く設定され、市民であれば誰でも利用可能です。
祭壇・寝棺・霊柩車は3段階の価格帯があり、予算に応じて組み合わせができます。
■八王子市の場合
八王子市の市民葬は「葬儀基本料金275,000円」で、祭壇、棺、骨壺、施工費、通夜・葬儀進行費が含まれます。
これ以外の霊柩車、ドライアイス、料理、返礼品などは必要な分だけ追加するスタイルです。
明朗会計で、予算管理がしやすいのが特徴です。
■立川市の場合
立川市は「市営葬儀」として、市が主体で葬儀サービスを提供しています。
運営は立川市シルバー人材センター葬祭事業所で、立川市斎場の指定管理者として民間葬儀社と同様に葬儀を行います。
費用例として、お迎え、3日間の安置、葬儀、火葬がすべて含まれて209,890円。
祭壇・棺・遺影写真・ドライアイス込みでこの金額ですから、かなりリーズナブルです。

区民葬・市民葬のメリットと注意点
普段、区民葬や市民葬にふれることのない、神奈川県民のぼくから見ると、区民葬や市民葬には次のようなメリットや注意点があると感じます。
<メリット>
- 一定の品質と価格が保証されている
- 料金が明確で、ぼったくりの心配が少ない
- 自治体指定の葬儀社という安心感
<注意点>
- 利用条件(住所や登録店の制限)がある
- 祭壇などがシンプルで、自由度が少ない場合も
- 他のプランと比べて選べるオプションが限られることがある

おわりに
区民葬・市民葬は「お金をかけずに、でもきちんと送りたい」という方にとって心強い制度です。東京都はすばらしいですね!!
ただし、住んでいる地域や利用条件によっては使えない場合もあるので、事前の情報収集がとても大事です。
葬儀は、費用のことももちろん大切ですが、それ以上に「どんな形で見送ってあげたいか」という想いが中心にあるべきだと、ぼくは思います。
もし東京都内にお住まいで、区民葬・市民葬の利用を検討している方は、ぜひ信頼できる葬儀社や自治体窓口に相談してみてください。
神奈川県には区民葬や市民葬はありませんが、安くて安心な葬儀をしたい方、ぜひともかなふくにご相談下さい。
神奈川福祉葬祭(葬儀のかなふく)
代表取締役 鈴木 隆
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