喪主の役割。家族葬だからこそ考えたい「どこまでの人を呼ぶべき問題」

皆様こんにちは
神奈川福祉葬祭(葬儀のかなふく)の鈴木隆です。
喪主って、葬儀の中心となる人のことですが、「具体的に何をしなければいけないのかよく分からない」という方が、案外多いんです。
また、ここ最近は家族葬が多く、「参列者もいないから喪主のすることってあまり無いのでは?」と考える方も少なくありません。
実は、家族葬だからこそ考えなければならないことがあるのもまた事実なんですね
ということでこの記事では、家族葬だからこそ考えたい喪主の役割について解説して参ります。
「喪主って何をする人なの?
「家族葬。どこまでの人に声をかけるべきなの?」
「訃報ははじめに伝えておく? 事後報告にする?」
などとお考えの方は、ぜひとも最後まで読み進めてみてください。
喪主 5つの役割
まずはじめに、喪主の役割の基本を押さえておきましょう。
喪主がすべきことは、主に次の5つが挙げられます。
1:葬儀社との打ち合わせ・方針の決定
葬儀社・式場・プランの選定や葬儀スタイルの決定(家族葬、一日葬、直葬など)など、葬儀全体の内容を決定する役割。
2:葬儀全体の取り仕切り
通夜・葬儀・火葬・法要までの進行管理、挨拶、遺族代表としての対応。
3:親族・関係者への連絡・対応
関係者への訃報の連絡、参列者や供花・供物の調整、喪主として親族への対応、参列者のおもてなし。
4:香典や供物の管理、費用の支払い
香典の受け取り・香典返しの手配、葬儀費用の支払い、会計処理など。
5:葬儀後の手続きや法要の主催
四十九日や年忌法要の準備、納骨・相続・役所手続きなど。
こうしてみると、喪主がすべきことって、結構ありますよね
この記事では、(3)にあたる、親族や関係者への連絡について深く考えてみたいと思います。
なぜなら、家族葬の中で、ある意味もっとも大切な部分ともいえる事柄だと思うからです。
家族葬 どこまでの人に声をかけるべき?
ぼくは、喪主の役割の中で一番大事なのは、これじゃないかと思っています。
『家族葬、どこまでの人を呼ぶべき問題』です
家族葬を選ばれる方の多くが、「誰まで声をかければいいのか分からない」と迷われます。
そもそも家族葬とは、ごく親しい方だけで静かに見送るスタイル。だけど、「親しいってどこまで?」というのが、むずかしいところなんですよね。
兄弟姉妹までは呼ぶけれど、いとこは? 昔からのご近所さんは? 職場の上司や親しい友人は?——そんなふうに、境界線があいまいだからこそ悩んでしまいます。
そんなとき、ぼくはこのようにおススメしています。
「呼ぶかどうか迷う相手ほど、声をかけておく」
来る・来ないの判断は、相手にゆだねる。それが、あとあとのしこりを減らすポイントです
あとから「どうして教えてくれなかったの」と言われることほど辛いことはありません。ご縁が深い人ほど、訃報をあとから知ったときのショックは大きくなるため、どうしてもこうしたことばが出てしまうんですね
声をかけたことで、たとえ葬儀に参列できないとしても、「知らせてもらえてよかった」と思ってもらえますし、故人さまもきっと喜んでくれるのではないでしょうか。

はじめに伝える? 事後報告にする?
これも、喪主さまが悩むポイントのひとつですよね
「家族葬だから、訃報自体を伝えない方がいいのでは?」
「いや、葬儀は家族だけにしても、訃報だけは伝えておくべき?」
これ、どちらのやり方も間違いではないのですが、ぼくとしては、事前に訃報だけでも伝えておくことをおススメしています
その理由は、さきほどもお伝えしたように、知らせなかったことで、相手が悲しんでしまうケースがとても多いからです。
もちろん、事前に伝えてしまったために、家族葬であるにもかかわらず「どうしても参列したい」という申し出を受けることもあるかもしれません。
ただ一方で、これだけ家族葬が普及している世の中ですから、訃報を受け取った側も、喪主の意思を尊重してくれることが多いものと思われます。
喪主としては、伝える際に…
「●●さんにはどうしてもお伝えしておくべきだと思いました。ただ、葬儀に関しては故人が希望していた家族葬で行いたいと思います。大変申し訳ありません」
…といった具合に、「あなたのことを特別に思っていること」+「家族葬が故人の希望」+「お詫び」という旨を伝えることで、こちら側の想いも伝わるのではないでしょうか。
喪主のすべき本当の役割
ここまで、訃報連絡を中心に喪主の「役割」をご紹介してきました。
喪主が果たすべき大切なことは、「葬儀のかたちを整えること」もですが、故人の人生に寄り添い、ご縁のあった方々に、お別れの場を届けることではないでしょうか。
今は、費用や手間の面から、できるだけ「安く」「楽に」「こじんまりと」を希望する人が増えています。それはとても自然な流れだと思います。
でも一方で、
「あの人に会いたかった」
「最後に手を合わせたかった」
「声をかけたかった」
…そんな想いを抱えている人がいるのも事実です。
事後報告をしたことで、あとから弔問や香典、お供え物が届くという話をよく聞きますが、そのたびに、遺族の方々は「ああ、やっぱりあの方に知らせておけばよかったかな」と、心がざわついたりするものです。
葬儀を「家族だけのもの」にするのか、「故人を想う人すべてのもの」にするのか・・・
その判断を託されているのが、喪主なんです
家族葬という選択肢の中でも、やさしさと想像力をもって、ほんの少しだけご縁を広げる。
それができる喪主の葬儀は、きっと、誰の心にも残るはずです

おわりに
家族だけで葬儀をする。お世話になった人に参列してもらう。
どちらの葬儀をしたって、それらは正解です。家族葬がダメというわけではありません。
ぼくがお伝えしたかったのは、葬儀の方針を決める時に、自分たち目線だけでなく、ご縁のあった人たちの目線、さらには故人さまの目線に立ってもらえたら…ということです。
いろんな人の目線に立ったうえで、最後にどのような葬儀にするかは喪主の判断です。
とはいえ、その判断が、むずかしいのですよね。
そんな時こそ、かなふく鈴木にご相談下さい
葬儀のかなふく 株式会社神奈川福祉葬祭
代表取締役 鈴木 隆