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NEW 社長のブログ 2025.12.18

【心が軽くなる】心理カウンセラーの葬儀屋さんが語る、グリーフケアとしての葬儀・法事

【心が軽くなる】心理カウンセラーの葬儀屋さんが語る、グリーフケアとしての葬儀・法事

いま、心がギュッと締め付けられるような辛さを感じていませんか?

 

大切な方を亡くされたあと、急に涙が止まらなくなったり、一人ぼっちになったような不安に襲われたり。頭ではわかっているのに、心が言うことを聞いてくれない…そんな風に感じているかもしれません。

 

もし、あなたが今、深い悲しみの「波」の中にいるとしたら、まずぼくからあなたへ伝えたいことがあります。

 

それは、あなたが抱えているその悲しみや辛さは、決して「悪いこと」でも「弱いこと」でもないということです。

 

心理学では、大切なものを失ったときに生まれる心と体の反応を「グリーフ(悲嘆)」と呼びます。これは病気なんかではなく、故人さまへの愛が深かった証拠。だれもが経験する、心を癒すために必要な、とても自然なプロセスなんですよ。

 

ただ、「この悲しみとどう向き合えばいいんだろう…」と戸惑ってしまうのも、無理はありません。

 

ぼくは、神奈川福祉葬祭という葬儀屋さんを経営する一方で、心理カウンセラーの資格も持っている「心の専門家」でもあります。

 

多くの方が「お葬式や法事は、悲しくて辛い儀式」だと思っているかもしれません。

 

でも、実は違うんです。この記事では、葬儀や法事が、あなたの心をやさしく支え、故人との新しい関係を築き、あなたがもう一度前を向くための大切な「心のケア」そのものであるということを、お伝えしたいと思います。

 

どうぞ、あなたの心のペースで、ゆっくりと読み進めてください。

 

■お葬式は「さよなら」ではなく「あなたの一歩」

よく、お葬式のことを「最後のお別れ」と表現しますが(ぼくもよく言ってしまいます)、心理カウンセラーの目から見ると、お葬式は「悲しみの中で、あなたが新しい人生の最初の一歩を踏み出す場所」なんです。

 

なぜなら、グリーフケアの初期段階で最も大切なのは、「死の現実を、あなたの心が受け入れること」だからです。

 

もちろん、簡単に受け入れられないことはよく分かっています。受け入れられないし、受け入れたくない。あの人は亡くなったんだと頭で分かっていても、心が拒絶している。

 

大切な方を失った直後は、現実感がフワフワしていろんなことが曖昧になりがちです。

 

「夢なんじゃないか」

「あの人はまだどこかにいるんじゃないか」

 

…と心が混乱している状態なんですね。

 

だからこそ、お葬式があります。

 

あなたが拒絶や混乱をしながらも、「悲しいけど、辛いけど、あの人は亡くなっちゃったよね」と知らしてくれるのが、お葬式という儀式の力です。

 

一連の儀式を経ていく中で、あなたの心の奥底で「辛いけど、悔しいけど、受け入れたくないけど、本当に亡くなったんだ」という事実が少しだけ理解できる、そのための心理的なスイッチになってくれるんです。

【心が軽くなる】心理カウンセラーの葬儀屋さんが語る、グリーフケアとしての葬儀・法事

■お葬式がくれる2つのやさしさ

お葬式は、あなたに次の2つのやさしさをもたらせてくれると、ぼくは考えます。

 

感情的になれる場所

泣きたいときはね、しっかり泣いて大丈夫なんです。

 

でも、普段の生活では「泣いちゃダメだ」「強くならなきゃ」と、つい感情を抑え込んでしまいますよね。

 

また、故人さまが亡くなった直後は、拒絶や混乱から、「泣きたくても泣けない」「悲しいのかどうかもよく分からない」などと、感情がマヒすることだってあります。

 

お葬式って、感情をありのままに表現することが許されている「安全な場所」です。

 

ここでは、悲しみも後悔も、そのまま表に出して構いません。だれもあなたを責めたりしませんし、みんながあなたを見守ってくれています。

 

感情をそのまま表に出すことで、心に溜まっていた重たいものを解き放たれ、次の一歩のための静かなエネルギーがもたらされるはずです。

 

 「あなたは一人じゃないよ」という安心感

お葬式には、家族・親族、ご友人など、いろんな方が集まります。

 

この時、あなたは多くの人から「一緒に悲しもうね」「あなたの味方だよ」という、目に見えないメッセージを受け取っています。

 

「故人さまはたくさんの人とつながっていたんだ」「ぼくのまわりにはたくさんの支えとなってくれる人がいるんだ」という実感は、お葬式だから感じられるもので、大きな安心感を与えてくれます。

 

■時の流れを感じさせてくれる法事・法要

お葬式が終わってからも、四十九日や一周忌などの「法事・法要」がやってきますね。

 

「やらなきゃいけないこと」として、少し重荷に感じている方もいるかもしれません。

 

でも、これらの法事もまた、あなたにとって大切な「心のメンテナンス」の時間だと捉え直してみませんか?

 

グリーフ(悲しみ)は、時間の経過とともに少しずつその形を変え、ゆっくりと、時間をかけて、癒されていきます。

 

ただ漫然と時の流れに身をゆだねる必要はありません。「もうすぐ一周忌だね」「次は三回忌だね」と、法事という区切りがあるおかげで、ぼくたちは「次の区切りまで、少し頑張ってみよう」という心の目標を持つことができます。

 

法事・法要は、悲しみの道中で、あなたが心を休ませるための「オアシス」のような、大切な役目を果たしてくれると、ぼくは考えています。

 

また逆に、いま故人さまの不在に苦しんでいても、人によっては時間の経過とともに、故人さまのことより目の前の生活に追われてしまうという方も少なくありません。

 

そんな場合であっても、定期的にやってくる法事が、故人さまとつながり直すよい機会となってくれるんです。

 

法事にも、ご家族や親族が集まりますよね。みんなが集まることで、みんなにとっての故人さまを語り合うことで、いまのあなたのグリーフと向き合う機会を与えてくれます。

 

悲しい話ばかりじゃなくて大丈夫。楽しかったエピソード、クスッと笑えるようなあたたかい思い出を共有することが、何よりも大切なんです。

 

そうすることで、故人さまの存在は「悲しい記憶」としてではなく、「心の中に生き続ける、あたたかい存在」として、あなたの心をそっと支えてくれるようになるはずです。

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■話すことは放すこと

ぼくは、お葬式や法事の究極は「だれかに話すこと、そしてだれかに聴いてもらうこと」だと思っています。

 

故人さまの思い出、いま抱えている悲しみをだれかに話せるだけで、心の苦しみがいくぶんか解き放たれます。

 

そう! 話すことは心を「放す」ことなんです。

 

だから、究極ぼくはお葬式に、祭壇とか、棺とか、式場とか、なくたっていいと思っています。

 

故人さまがいて、故人さまのご逝去を辛く想う人たちが集まり、故人さまの思い出を、お互いの悲しみを語り合い、聴きあう。これだけで、充分すばらしいお葬式じゃないでしょうか。

 

大昔、ネアンデルタール人たちは仲間の死を遺された者たち同士で悼んでいたそうです。人が集まって、悼みあい、語り合うこと。これこそが、数万年前から行われているお葬式の根源、本質ではないでしょうか。

 

いま、あなたの想いや、故人さまとの思い出、正直な気持ちを誰かに話せていますか?

 

悲しい感情や後悔の念を心の奥にため込んでしまうと、知らず知らずのうちにあなたを苦しめてしまいます。

 

あなたの想いをことばにして話すことが、実はあなた自身の心のケアになります。そして、あなたがケアされているその姿を、故人さまも喜んでくれるはずです。

 

話すことで感情は整理され、「ああ、わたしはこんな風に感じていたんだな」と、大切な気付きに出会うこともあるんですよ。

 

ことばに出して、心の中の重荷を「放す」こと。これが、グリーフケアのとても大切なステップの一つなんです。

 

あなたの話を、ただただやさしく聴いてくれる人が、そばにいたらいいですね。

 

その相手は、家族や親しい友人でもいいですし、故人さまをよく知っている人でも構いません。あるいは、お寺の僧侶の方や、私たちのような心理カウンセラーの専門家でもいいでしょう。

 

大切なのは、あなたの気持ちにフタをせずに、安心して話せることです。話すことは、きっとあなたを楽にしてくれます。

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■宗教者は、心の道しるべ

最後に忘れてはいけないのが、宗教者という存在。

 

お葬式や法事といった儀式には、必ず宗教者(お坊さんなど)が関わってくださいますよね。

 

なぜ、ぼくたちは悲しみの最中に、こういった宗教的な儀式を大切にするのでしょうか?

 

心理カウンセラーの視点から見ると、宗教者の役割は、『心の道しるべ』だと考えています。

 

■死別の苦しみをやわらげる仏教の教え

仏教には「諸行無常」という教えがあります。これは「どんなものも常なるもの(変わらないもの)はない」「生きる者はいつか必ず死を迎える」という真理を静かに説くものです。

 

お坊さんがお経を読み、法話を通じてこの真理を伝えてくださることで、ぼくたちは「故人さまの死は特別なことではなく、人間の避けられない摂理だったんだ」ということを、少しずつ心の奥底で受け止められるようになります。

 

この「死の受容」こそが、グリーフケアの最初の、そして最も困難な壁を乗り越える手助けをしてくれるのです。

 

■「縁」を通じて故人さまの存在を再確認する

仏教で大切にされる考え方に「縁起」があります。

 

お坊さんは、法事の際に、故人さまとあなたが出会い、ともに過ごした時間がいかに尊い「縁」であったかを語ってくださいます。

 

この教えは、故人さまとの別れを悲しむだけでなく、「故人さまとの関わりが、今のあなたを形作っている」という視点を与えてくれます。

 

法事のたびに、お坊さんの声やことばを通して、故人さまとのつながりが消えていないこと、そして故人さまがあなたの心の中で生き続けていることを再確認できます。

 

■ 法事が与える「時間の感覚」と「安心感」

法事・法要は、四十九日、一周忌、三回忌…と、一定の間隔で繰り返されますよね。

 

この宗教的な儀式が時間を区切ってくれるおかげで、ぼくたちは

 

「法事が終わったら、次の区切りまで少し頑張ってみよう」

 

…という目標を持つことができます。

 

この「時間の感覚」は、グリーフという終わりの見えにくいトンネルの中にいる人にとって、次に進むためのやさしい光となってくれるんです。

 

お葬式や法事の場で、あなたが手を合わせ、お経を聴くという行為は、「故人さまは安らかに旅立たれた」という安心感をあなたの心にもたらす、とても大切な心のセラピーなんですよ。

 

どうぞ、宗教者の方があなたのそばにいてくれる葬儀や法事という時間を、心の道しるべとして、大切にしてくださいね。

 

【心が軽くなる】心理カウンセラーの葬儀屋さんが語る、グリーフケアとしての葬儀・法事

■おわりに:悲しみはきっと、あなたを支える力に変わります

ここまで、お読みいただきありがとうございました。

 

お葬式や法事は、悲しみを断ち切るためのものではなく、「故人さまへの愛」を形にし、「あなたが自分自身を新しい世界を受け入れ、前を向くための大切な時間」だと、ぼくは考えています。

 

どうぞ、無理に悲しみを押し殺そうとしないでください。あなたが抱える深い悲しみは、故人さまを深く愛していた証拠です。

 

そして、その悲しみは必ず形を変えて、いつか故人さまとのあたたかい思い出、そしてあなたがこの先も幸せに生きていくための、強い力になってくれるはずです。

 

神奈川福祉葬祭は、単に儀式を執り行うだけでなく、あなたの心に寄り添う「心の専門家」でありたいと願っています。

 

もし、いま心がしんどいと感じているなら、「話すことは放すこと」です。無理に元気にならなくても大丈夫です。 ぼくたちは、いつでもあなたの心の声を聴く準備ができていますよ。

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