「アクティングアウト」という視点から、葬儀社として大切にしたいこと

皆さま、こんにちは
かなふくです。
葬儀の現場では、ご遺族の方から強い言葉をいただくことがあります。
「どうしてこうなったんですか」
「もっと何とかならなかったんですか」
「費用が分かりにくい」
「納得できない」
もちろん、葬儀社として説明不足や配慮不足があった場合は、真摯に受け止め、改善しなければなりません。
ご葬儀はやり直しのきかない大切な時間です。だからこそ、私たち葬儀社は、ひとつひとつの対応に責任を持つ必要があります。
ただ、葬儀の現場に長く携わっていると、時にその言葉の奥に、もっと深い悲しみや悔しさ、寂しさがあるのではないかと感じることがあります。
心理学の言葉に「アクティングアウト」というものがあります。
これは、心の中にある苦しみや葛藤が、言葉では整理しきれず、行動や強い反応として外に出てしまうことを指します。
たとえば、
本当は悲しい。
本当は寂しい。
本当は悔しい。
本当はもっと一緒にいたかった。
けれど、その感情があまりにも大きすぎると、人はそれをそのまま言葉にできないことがあります。
すると、悲しみが怒りとして出たり、寂しさが不満として出たり、悔しさが強い言葉として表に出ることがあります。
葬儀の場面では、ご遺族は大切な方を亡くされた直後です。心の準備ができていないまま、病院や施設からの搬送、安置、火葬場の予約、式の内容、費用の確認など、短い時間の中でたくさんの判断をしなければなりません。
その中で、心が追いつかなくなるのは当然のことです。
「なぜ亡くなってしまったのか」
「もっと何かできたのではないか」
「本当にこれでよかったのか」
「自分はきちんと見送れているのか」
こうした思いが重なり、心の器を越えてしまった時、目の前にいる葬儀社の担当者に感情が向けられることもあります。
だからこそ私たちは、表面の言葉だけを見て、すぐに反応しないよう心がけています。

もちろん、理不尽な要求をすべて受け入れるという意味ではありません。
事実は事実として確認し、できることとできないことは丁寧にお伝えします。
費用や手続きについても、曖昧にせず、できる限り分かりやすくご説明します。
しかし同時に、強い言葉の奥にあるものにも心を向けたいと思っています。
その怒りの奥には、深い悲しみがあるのかもしれない。
その不満の奥には、不安があるのかもしれない。
その強い口調の奥には、「誰かに分かってほしい」という叫びがあるのかもしれない。
葬儀社に必要なのは、ただ段取りを進める力だけではありません。
ご遺族の揺れる心を受け止める器も必要です。
大切な方を亡くされた直後、人はいつもの自分ではいられないことがあります。
普段なら言わないような言葉を言ってしまうこともあります。冷静に考えれば分かることでも、その時は受け止めきれないこともあります。
それは、弱いからではありません。
それほど大切な人を失ったということです。
葬儀のかなふくは、相模原市南区にある小さな葬儀社です。
大きな会社のような派手さはありませんが、目の前のご家族に、最後まで同じ担当者が一貫して寄り添うことを大切にしています。
葬儀費用を分かりやすく伝えること。
不安なことを一つずつ確認すること。
ご家族の気持ちを急がせないこと。
そして、言葉にならない悲しみにも心を向けること。
私たちは、そうした一つひとつの積み重ねが、安心できるお見送りにつながると考えています。
「アクティングアウト」という言葉を知ることで、感情的な言葉の見え方は少し変わります。
困った人だから怒っているのではなく、今、心が壊れないように必死で耐えているのかもしれない。
そう考えると、葬儀社としての向き合い方も変わります。
ご遺族の悲しみに巻き込まれすぎず、しかし冷たく突き放さない。
事実は冷静に確認しながら、感情には静かに寄り添う。
それが、葬儀に携わる者として大切な心構えなのだと思います。
大切な方とのお別れの時間が、少しでも穏やかで、悔いの少ないものとなるように。
葬儀のかなふくは、これからも正直に、分かりやすく、そしてご家族の心に寄り添う葬儀を大切にしてまいります。
葬儀のかなふく
(神奈川福祉葬祭)
代表取締役 鈴木隆

